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ビットコイン真の価値は1.2万円? トランザクション・SNAデータによる分析

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 本記事は第1回 後半の付録になります。

概要

ビットコインの通貨価値(本当の価値)=1BTC当たり約1.2万

ビットコインの通貨価格(12月の価格)=1BTC当たり約190万

 (時価総額Bitcoin (BTC) Historical Data | CoinMarketCap 日本銀行時系列統計データ検索サイト より筆者計算 2017/12月平均値 ビットコイン発行量1500万BTCとした)

以上の結論をどのように導いたか。主にBitcoinトランザクションデータと日本銀行のデータを用いて分析をした。以降では分析の過程を紹介する。

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1. ビットコイン・日本円の通貨価値比

 仮想通貨は現実世界で本当に使われているのだろうか?それとも単なる仮想世界でのデータに過ぎないのだろうか?

 本記事では仮想通貨の代表、ビットコインに対して分析を行う。

 話を進めるには、取引トランザクション)と決済という概念が必要になる。この二つの概念は区別されなければならない。以下で定義をする。

 

定義:決済 代金、または現物や証券の受け渡しによって売買を済ませること。 

決済(ケッサイ)とは - コトバンク

 決済とは簡単に言えばモノ・サービスを買った時、対価として通貨を支払うことを意味する。普通、日本のお店でモノを買えば日本円で支払う。これを日本円による決済という。ビットコインでも一部店舗で同じことが可能である(例えばビックカメラの一部店舗で決済可能)。

定義:取引(トランザクション) 商人どうし、また、商人と客との間でなされる商業行為。売買の行為。

取引(とりひき)とは - コトバンク

 取引とは決済を含むより大きな概念である。例えばビットコインはそれ自体が取引所で売買されている。このような投機目的の売買も含む。

 

 本当にビットコインが使われているとは、ビットコインによって決済されている、と言い換えることが出来る。決済に使われることがその通貨の通貨価値(=通貨の本当の価値≠通貨価格 第1回 前半で詳しく述べている。)を構成する。

 ゆえに1.1-1.3では決済額の推定を行う。1.4 では通貨価値比を推定する。

1.1 ではビットコインの取引額の内、決済額の割合(決済額率)を推定する。

1.2 では1.1 の結果を用いて、ビットコインによる決済額を推定する。

1.3 では日本円による決済額を推定する

1.4 ではビットコイン・日本円の通貨価値比を推定する。

1.1 ビットコインの決済額率推定

定義:決済額率 決済額÷取引(トランザクション)額

 本節では、決済額率推定のためビットコイン取引所Bitflyerの取引データに対し分析を行う。

 まず、外国為替証拠金取引(以降FXとよぶ)に注目する。これは投機目的の取引であり、決済ではない。この取引額はいくらだろうか?

外国為替証拠金取引 - Wikipedia

 以下表1 はBitflyerにおける取引額を表している。1列目に注目頂きたい。bitFlyerbitFlyerにおける取引を表し、bitFlyerFXはそのうちFXを表し、bitFlyer(FX除く)bitFlyerにおける取引のうち、FXを除いたものである。2列目は直近24hの取引額のビットコイン表示であり、3列目はそれの日本円表示である。

表1.bitFlyerにおける直近24h取引額 2018/01/01 22:43時点

Bitcoin (BTC) - Live Bitcoin price and market cap  より筆者作成)

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 決済に使用された可能性があるのは、bitFlyer(FX除く)の取引額である。このうちどのくらいが決済に使われたのだろうか?

 BitFlyerにおける決済サービスにBitwareがある。これによる決済額は不明であるが、以下の導入事例から推定する。

bitWire SHOP【bitFlyer】

 上記事例から、(私見であるが)多く見積もって1日当たり約2億円が決済に使われていると推定した。正確にはBitFlyer(FX除く)の取引額のうち、1%が決済に使われているとした。

 

 以上の議論から、決済額率は以下のように推定される。

決済額率

BitFlyer(FX除く)の取引額 × 0.01 ÷ BitFlyer の取引額

=¥25,618,706,533.32 × 0.01 ÷ ¥158,198,852,914.59

= 0.001619399 ≒ 0.162%

1.2 ビットコインによる決済額推定

 本節では1.1 の結果および取引(トランザクション)額のデータを用いて決済額を推定する。

 ではまず全世界のビットコイン1日当たり取引額を見てみる。ただし、日本円換算を行った。以下の図1 のようになる。

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図1. 2017年12月の全世界ビットコイン1日当たり推定取引額(億円)

https://blockchain.info/ja/charts/estimated-transaction-volume-usd 日本銀行 時系列統計データ検索サイトより筆者作成)

 図1 から12月の取引額の平均を求め、¥424,344,071,079.52となった。これから、ビットコインの1日当たり決済額は以下のようになる。

ビットコインによる1日当たり決済額

ビットコインの1日当たり取引額 × 決済額率

= ¥424,344,071,079.52 × 0.001619399
= ¥687,182,367.37

となり、約6.9億円と推定される。 

1.3 日本円による決済額

 日本円はどのくらい使われているだろうか?円は現在日本・北朝鮮ジンバブエで通用する。

円 (通貨) - Wikipedia

 だが、北朝鮮ジンバブエにおけるデータが入手できなかったため、本記事では日本における日本円による決済額を推定するに留める。これはほぼ日本の総産出額に等しい。

総産出額 (Gross Output) :最終生産物の総取引額と中間生産物の総取引額を合計

http://www.findai.com/yogow/w00001.htm

Gross output - Wikipedia

 総産出額は、1国の取引額全てのことを指す。また、日本では日本円が法定通貨なので、日本円で決済されている。ゆえに日本の総産出額=日本における日本円による決済額と仮定できる。以上の議論から、以下のようになる

日本円1日当たり決済額

≒ 日本の1日当たり総産出額

= ¥2,731,306,010,928.96

≒ 約 27,300億円

(日本の総産出額:2016年度国民経済計算(2011年基準・2008SNA) - 内閣府 より 平成28年の総産出額を利用)

1.4 ビットコインと日本円の通貨価値比

 1.2 1.3 の結果から、ビットコインと日本円の通貨価値比を推定する。通貨価値の構成要因として交換可能価値と貯蔵可能価値がある(第1回前半 で述べている)。貯蔵可能価値については収集したデータから推定できなかった。そのため、本記事では通貨価値≒交換可能価値として推定を行う。

 また、交換可能価値の大きさは決済額に比例する。なぜなら、交換可能価値とはモノ・サービスと交換出来ることによる価値であり、決済額とはどのくらいモノ・サービスと交換出来ているかを表すためである。

 以上の議論より、ビットコインと日本円の通貨価値比(B-Y通貨価値比とよぶ)は、

B-Y通貨価値比

ビットコインの交換可能価値 ÷ 日本円の交換可能価値

ビットコインによる決済額 ÷ 日本円による決済額

=¥687,182,367.37 ÷ ¥2,731,306,010,928.96

=0.000251595

≒約1/4000

となる。これはビットコインの通貨価値が日本円の約1/4000であることを表す。しかしこれだけでは現在のビットコインの通貨価格(約28,692億円)が妥当かわからない。通貨価値を日本円表示にしなければ比較が出来ないためだ。

 次の2章は、ビットコインの通貨価値が日本円表示でいくらなのか?を推定していく。

2. ビットコインの通貨価値(日本円表示)

 ここではビットコインの通貨価値の日本円表示を推定する。方法としては、

2.1 で日本円の通貨価値は日本円表示でいくらなのか推定する。

2.2 でビットコインの通貨価値の日本円表示を推定する。

2.1 日本円の通貨価値(日本円表示)

 日本円は非常に安定した通貨である。ゆえに、投機による通貨価格の変動を無視できるとする(通貨価格= 通貨価値 + 投機 第1回 後半 より)。すると通貨価格=通貨価値となる。

 では、日本円の通貨価格とは何か?これは流通する日本円の総額とする。マネーストックと呼ばれる。

「マネーストック」とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan

 以上の議論から、日本円の通貨価値は以下のようになる。

日本円の通貨価値(日本円表示)

≒日本円の通貨価格

マネーストック(日本円の流通額)

=7,261,236 億円

日本銀行 時系列統計データ検索サイト より 2017年12月のマネーストック M1を利用)

 

2.2 ビットコインの通貨価値(日本円表示)

 1章及び2.1 節の議論から、ビットコインの通貨価値を推定する。以下のようになる。

ビットコインの通貨価値(日本円表示)

=B-Y通貨価値比 × 日本円の通貨価値

=0.000251595 × ¥726,123,600,000,000

=¥182,688,916,019

≒約 1,820億円 = 1BTC当たり約1.2万

となる。

3. まとめ

 本記事では、ビットコインの通貨価値(適正時価総額)の推定を行った。1章では、決済額=通貨価値として日本円とビットコインの通貨価値比の推定を行った。2章ではそれを用いてビットコインの通貨価値(日本円表示)を推定した。

 結果としては、

ビットコインの通貨価値(本当の価値)=1BTC当たり約1.2万

ビットコインの通貨価格(12月の価格)=1BTC当たり約190万

となる。

 

【第1回後半】 仮想通貨の分散性・世界通貨性 -バブル後価値をもつには- 

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この記事は 第1回 前半の続きものになっています。

【第1回後半】 概要

 本記事2.1.では仮想通貨の現状を確認していく。2.2.では仮想通貨の特徴について述べる。

定義:仮想通貨 法定通貨による公式な根拠づけを持たない電子マネー

仮想通貨 - Wikipedia

2.1.仮想通貨の現状 -ビットコインを例に-

定義:通貨価格 通貨の価格もしくは時価総額

  ビットコインの通貨価値(適正時価総額) =     1,826億円

  ビットコインの通貨価格(時価総額)   = 286,926億円

  通貨価格 = 通貨価値 + 投機

なぜ通貨価値から通貨価格が大きく剥離するか? → 過剰な投機 = バブル(バブル崩壊の危険)

 

2.2.仮想通貨特有の価値とは? -既存通貨との差異と特有の価値・課題-

差異1)中央機関をなくすことが出来る

定義:分散型仮想通貨 中央機関が存在しない仮想通貨 例)ビットコインイーサリアム・ヴァージ

  特有の課題1.1)金融政策が不能 = 景気対策不能・通貨の慢性的不安定

  特有の価値1)通貨競争を予防

定義:集権型仮想通貨 中央機関が存在する仮想通貨 例)リップル(XRP)

  特有の課題1.2)金融政策が可能だが、中央銀行並みの実力があるか?

 

差異2)世界通貨である

定義:世界通貨 世界中で通用する通貨

  特有の価値2)為替コストの低減

  特有の課題2)各国に合わせた金融政策が困難になる

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 2.仮想通貨の現在と未来

 (執筆時, 2018/01/01)、仮想通貨は熱狂の中にいる。これは真の熱狂なのか?それとも偽りなのか?これは真の革新なのか?それとも扇動なのか?これは真の通貨なのか?それとも虚像なのか?2.1.では仮想通貨の価値が妥当か検証する。そして2.2.では仮想通貨と既存通貨の差異について述べる。そしてこの差異を分析し、仮想通貨特有の価値および課題について論じていく。

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2.1.仮想通貨に価値はあるのか? -仮想通貨の現在-


れは真の革新なのか?それとも扇動なのか?


 仮想通貨の値上がりは驚異的だ。ビットコインは0.09円から200万円におよそ3000万倍の値上がり、リップル(XRP)は0.61円から300円へ500倍である。これは何故か?本当に価値があるゆえなのだろうか?

【12月27日最新版】3分でわかるリップルの歴史 - MoneyToday

 

 本題に入る前にまず、仮想通貨とは何か?を定義する。既存通貨は法定通貨そのものであるか、何等かの形(先払いまたは後払い)で関係づけられていた(詳しくは第1回 前半を参照)。ゆえに仮想通貨とは、法定通貨による根拠づけを持たないことが特徴の一つである。また、「仮想」という言葉が象徴するように電子的である。ゆえに以下のように定義する。

定義:仮想通貨 法定通貨による公式な根拠づけを持たない電子マネー

仮想通貨 - Wikipedia

 この節では仮想通貨の通貨価値と通貨価格を推定し、仮想通貨に価値はあるのか?という問いに答えていく。代表的な仮想通貨としてここではビットコインに対し分析を行う。これは他の仮想通貨はモノ・サービスと交換することはほぼ不可能であり、通貨価値を持たないからである。

2.1.1.ビットコインと日本円の通貨価値比

 仮想通貨は通貨価値を持っているのだろうか?ここではその推定をしていく。通貨価値は交換可能価値と貯蔵可能価値から成る。そこで交換可能価値の比をビットコイン日本円に対して推定する。そのために、交換可能価値=通貨価値と仮定して、比を推定する(本来は貯蔵可能価値も推定するべきであるが、簡単のため本記事では交換可能価値のみ推定を行う)。

 まず考慮しなければならないのは、仮想通貨による取引の大部分を投機目的による取引が占めることである。

定義:投機  相場の変動によって生ずる差額を利得するために行う売買取引

投機取引(トウキトリヒキ)とは - コトバンクより引用

 交換可能価値は投機目的の取引は含んではならない。なぜなら投機はモノ・サービスへの交換ではないからだ。ゆえに投機目的の取引は除いて(つまり、商業目的の取引のみ考えて)推定する必要がある。

1)ビットコイン

 まずビットコインだが、取引額のうち大半が投機によるものだと言われている。それはどのくらいの割合だろうか?推定は難しいが、今回は取引額の99.838%が投機目的と推定した(推定方法は別記事に記載する)。

 ここでは通貨価値比の推定過程を簡単に述べる。まず、2017年12月における1日当たりの取引額は¥424,156,258,354=約4,242億円である。ゆえに1日当たりの投機目的を除いた取引額は

¥424,156,258,354×(1-0.99838)=¥686,878,223.63=約6.9億円である。

Estimated USD Transaction Value - Blockchain 取引額引用

2)日本円

  では、日本円の1日当たり取引額はいくらだろうか?ここでは総産出額 (Gross Output) を元に推定する。総産出額とは国内でどのくらいモノ・サービスが取引されたかを意味する(この詳細も別記事に記載する)。これを元に推定すると1日当たり取引額は¥2,731,306,010,928.96≒約27,313億円である。

Gross output - Wikipedia

 

ビットコインと日本円 通貨価値比

 ビットコインと日本円の通貨価値比≒交換可能価値の比=1日当たり取引額の比は 

ビットコインの通貨価値:日本円の通貨価値=約6.9億円:約27,313億円 となる。

つまりビットコインの通貨価値は日本円の約1/4000である。

2.1.2.ビットコインのバブル 価格と価値の剥離

 ここではビットコインの通貨価格が適正かどうかを論じていく。このために通貨価格(≠通貨価値ということに注意)をまず定義する。

定義:通貨価格 通貨の価格もしくは時価総額

 仮想通貨では、通貨価格は時価総額と呼ばれることが多い。この通貨価格は通貨価値と投機によって決まる(第2回で詳述予定)。

通貨価格の決定 通貨価格は通貨価値と投機によって決定

 本当に価値のあるものは価格も大きくなることは想像できるであろう。また、価値が少なくても価格が上がることがある。例を挙げると、ほとんどの仮想通貨は実際に通貨価値を持っていない(モノ・サービスと直接交換できない。ビットコインを媒介しなければならないはずだ)。しかし、通貨価格は上がっている。これは人々が値上がりを期待して資金を投入しているためであり、投機による上昇である。

ビットコインの通貨価値

 ではここからビットコイン自体の通貨価値を推定する。

 そのためにまず日本円の通貨価値を推定する。ここでは日本円は非常に安定した通貨と考える。つまり投機による通貨価格の変動は無視できるとする。すると通貨価値=通貨価格と考えることが出来る。

 日本円の通貨価格は現在流通している日本円の量全体(マネーストック M1)である。これは12月時点で 約7,260,000億円であり、これが日本円の通貨価格=通貨価値である。ビットコインの通貨価値は日本円の約1/4000であるから、

ビットコインの通貨価値=7,260,000億円×1/4000≒約1,820億円 となる。

「マネーストック」とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan

 

 1,820億円ビットコインの通貨価格時価総額28,692億円と比べると約1/160である。つまり通貨価値と通貨価格の差がとても大きい。なぜこのようなことが起こるのだろうか?

 Bitcoin (BTC) Historical Data | CoinMarketCap ビットコインの通貨価格(時価総額)引用

 

 そう、この差額は投機によるものだ。価値と価格が大きく剥離した状態をバブル経済といい、これには暴落の危険性がある。なぜなら、バブル経済は人々の投機によって支えられている。何らかのきっかけで価格が下落すると、それを見た人々は損を回避するため次々と資金を引き揚げる。そしてさらに価格が下落する、を繰り返す。こうして急速な価格の下落を起こす。これをバブル崩壊と呼ぶ。

バブル経済(ばぶるけいざい)とは - コトバンク

バブル崩壊(バブルホウカイ)とは - コトバンク

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2.2.仮想通貨特有の価値とは? -既存通貨との差異と特有の価値・課題-


想通貨の歴史は始まったばかりである


 2.1ではビットコインを例に挙げ通貨価値と通貨価格が大きく剥離しており、バブルである、と述べた。では、仮想通貨は単なる一過性のものであり、バブル崩壊後は何の意味も持たないのだろうか?そうではない。仮想通貨は既存通貨と比較して大きな二つの差異がある。差異は特有の価値と課題を生み出す。価値を最大化し、課題を最小化した仮想通貨がより価値ある仮想通貨になるだろう。

差異1.中央機関をなくすことが出来る

 既存通貨では中央銀行もしくは中央集権的な通貨管理機関(中央機関と略す)が通貨を管理していた。仮想通貨ではどうだろうか?ほとんどの仮想通貨では中央機関は存在しない。このような仮想通貨を分散型仮想通貨と呼ぶ。これはブロックチェーン技術によって可能になった。

定義:分散型仮想通貨 中央機関が存在しない仮想通貨

 分散型仮想通貨に当たるのは、ビットコインイーサリアム・ヴァージなどだ。

ビットコイン - Wikipedia

イーサリアム - Wikipedia

ヴァージ - Wikipedia

 では、中央機関が存在しないと、どのようなことが起こるだろうか?結論から言えば、金融政策があらゆる意味で実行不能となる。それは以下のような仮想通貨特有の課題・価値を生み出すことを意味する。

特有の課題1.1)景気の波が激しくなる・通貨の慢性的不安定

特有の価値1)   通貨競争を予防

 金融政策は通貨安定化、景気対策という二つの側面があることは第1回 前半で述べた。これが不可能になるわけだ。まず、通貨安定化ができない。ゆえに慢性的な不安定性を抱えることになる。これは貯蔵可能価値に大きな打撃を与える。値動きが激しい通貨は将来に渡って貯蔵し辛いからだ。

 次に景気対策が出来ない。これは景気の波が大きくなることを意味し、好景気の時と不景気の時の差が激しくなる。これらが特有の課題1.1である。

 しかし、見方を変えれば昨今の通貨安競争も出来なくなることを意味する。これは特有の価値1である。

 分散型でない仮想通貨も存在する。集権型仮想通貨とは、中央機関が存在するような仮想通貨だ。リップル(XRP)がこれに該当する。

Ripple (支払いシステム) - Wikipedia

定義:集権型仮想通貨 中央機関が存在する仮想通貨

 このような通貨は既存通貨と同じく、金融政策が原理的には可能である。 しかし、中央銀行と同じくらい効果的な金融政策が行えるのか、は大きな課題が残る。結局このような仮想通貨は中央機関の性能に大きく左右される。

特有の課題1.2)金融政策が可能だが、中央銀行並みの実力があるか?

差異2.世界通貨である

 既存通貨と大きく異なる部分二つ目は、仮想通貨は世界中で通用する世界通貨である、ということだ。

定義:世界通貨 世界中で通用する通貨

 世界通貨であることと、交換可能価値の大きいことを混同してはならない。例を示すと今の仮想通貨(特にビットコインを想定)は世界通貨であるが、交換可能価値は低い。つまり、国・地域関係なく利用は可能であるが、利用できる店の数は少ない(アメリカでは楽天、日本ではビックカメラ一部店舗など)。

ビットコイン - Wikipedia

 世界通貨である、ということはどのような特徴を持つのだろうか?ユーロの例を参照してみる。ユーロはヨーロッパで用いることが出来る統一通貨だ。これを導入したときどのようなことが起こっただろうか?それを通して世界通貨である、という差異から生じる特有の価値・課題を見ていく。

特有の価値2)為替コストの低減

特有の課題2)各国に合わせた金融政策が困難になる

ユーロ(ゆーろ)とは - コトバンク

ユーロ - Wikipedia

 まず特有の価値についてだが、直接的には為替コストがなくなる。ここでいう為替コストとは①両替のコスト ②為替リスクのコスト=為替が変動することへの備えのためのコストである。

 まず両替のコストだが、両替するためには為替レートに上乗せで両替コストが一般にかかる。例をあげよう。1$-120円のとき、ドルと交換するため両替所で12,000円を支払ったとしよう。この場合、100$を受け取ることはできない。なぜなら交換のための手数料(両替コスト)がかかるからだ(両替所はこの手数料で利益を上げている)。これが両替のコストである。

 次は為替リスクのコストである。

為替リスク(かわせリスク)とは - コトバンクから引用

 いま為替相場が輸出契約成立時点では1ドル=110円であったのが、代金回収時点では1ドル=105円になったとすると、1ドルにつき5円の為替差損が発生することになる。このような為替リスクを回避するために、貿易業者は一般に契約が成立するとただちに外国為替を取り扱う銀行に為替予約(先物(さきもの)為替取引)をする。

 上記先物為替取引へのコスト、それが為替リスクのコストである。統一通貨はこれら二つの問題を回避でき為替コストを低減する。

 特有の課題としては自国の通貨でないため、自国独自の金融政策(特に景気対策)が不可能になる。例を挙げよう。同じ通貨を使用する不景気なA国と好景気なB国があったとする。A国は景気対策として通貨を増やしたく(インフレーションへ誘導)、B国は通貨を減らしたい(デフレーションへ誘導)。この利益相反によって各国は思うように行動できなくなる。

 仮想通貨が本当に価値を持つためには、既存通貨との差異を生かす必要がある。すなわち、価値を生かし課題の悪影響を少なくし、既存通貨への優位点を作らなければならない。

 

2.3.まとめ

  前後半で述べた内容をここでまとめる。

・通貨価値=交換可能価値+貯蔵可能価値

・通貨価格=通貨価値+投機

 通貨価値とは、通貨の機能がどのくらい強いかを示している。通貨価格は価値と投機によって決まる

ビットコインの通貨価値=約1,820億円

ビットコインの通貨価格=約28,692億円

 ビットコインの通貨価値はまだまだ低い。しかしそれを大幅に上回る通貨価格が付けられている。これはバブルである。

バブル = 価値と価格の剥離 =過剰な投機

 既存通貨との差異および特有の価値・課題として以下が挙げられる。

1.1.分散型仮想通貨(中央機関なし=金融政策不可)

  特有の課題1.1)金融政策が不能 = 景気対策不能・通貨の慢性的不安定

  特有の価値1)通貨競争を予防

1.2.集権型仮想通貨(中央機関あり=金融政策可能)

  特有の課題1.2)金融政策が可能だが、中央銀行並みの実力があるか?

2.世界通貨

  特有の価値2)為替コストの低減

  特有の課題2)各国に合わせた金融政策が困難になる

 まず共通することは、金融政策が困難になることだ。これは通貨不安定や景気対策が後手に回る可能性を示唆している。しかし、為替コストがなくなることが期待される。価値を伸ば課題の悪影響を減らすことが仮想通貨が本当の通貨になるために非常に重要だ。

 

 次回は通貨価値・通貨価格についてより詳しく述べる。

 なぜ既存通貨は大きな交換可能価値・貯蔵可能価値を持つのだろうか?通貨価値にとって投機はどのような存在であろうか?また仮想通貨は大きな通貨価値を達成するだろうか?

 仮想通貨の通貨価格を大きく押し上げる投機はなぜこんなにも為されるのか?その性質とは何か?仮想通貨を本当の通貨たらしめるには有用か?不要か?

 以上の論点を明らかにしていく予定である。

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 ここまで読んでいただきありがとうございました。もしお気に召しましたら、はてなブックマークコメント感想など頂ければとても嬉しいです。

ありがとうございました!次回もぜひよろしくお願いします。

【第1回前半】 仮想通貨の分散性・世界通貨性 -既存通貨と比較した仮想通貨の特徴-

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【第1回前半】 概要

 

 「仮想通貨の本質は世界通貨」ということを既存通貨との比較を通して明確にしていく。そのため、この前半では既存通貨の特徴を述べていく。以下の結論となる。

既存通貨の特徴

定義:既存通貨 法定通貨、および法定通貨を前払い・後払いして行う決済手段

1.1.通貨価値交換可能価値貯蔵可能価値≒たくさん使われる+安心感がある

1.2.単位当たり通貨価値(≠通貨価値)が上がる=デフレ

単位当たり通貨価値(≠通貨価値)が下がる=インフレ

1.3.金融政策中央銀行の役割 昨今は通貨安競争が行われている

1.4.為替=二つの通貨の単位当たり通貨価値で決定 通貨安競争で不安定化する

  

 以上の議論を用いて、後半仮想通貨の価値とは?既存通貨より優れている点は何か?を論じていく

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 想通貨、それは外見を全く持たず掴みどころがない、ように見える。しかし、現実の人々を動かす以上、それは何等かの形で存在している。では一体、仮想通貨とは何なのだろうか?本記事ではそれを探求していく。

 方法としては既存通貨との比較を軸に異なる点を浮き彫りにしていく。

2.既存通貨と比較した仮想通貨の特徴(後半)

3.まとめ(後半)

 

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1. 既存通貨の特徴


 きを温ねて新しきを知る…既存通貨を温ねて仮想通貨を知る


 ここでは既存通貨の特徴について確認をしていく。これは仮想通貨の特徴を把握するための準備である。そのためまず、既存通貨の定義をしておく。

定義:既存通貨 法定通貨、および法定通貨を前払い・後払いして行う決済手段

 法定通貨とは法的に通用を強制(強制通用力)できる通貨である。具体的には日本円・ドル・ユーロ・ポンドなどが当たる。

法定通貨 - Wikipedia

 また法定通貨を前払いして行う決済手段とは、主としてプリペイド式カードのことを指す。これは法定通貨を前払いして利用する。法定通貨を後払いして行う決済手段とは、主としてクレジットカードを指す。

プリペイドカード(ぷりぺいどかーど)とは - コトバンク

クレジットカード - Wikipedia

 この定義から強調したいことは、既存通貨は電子マネーの一部を含むことだ。ゆえに仮想通貨との差異を考える上で

電子マネー - Wikipedia

・電子決済が可能

・現金を持ち歩かなくてよい

・履歴が残る

などは仮想通貨と既存通貨との決定的差異でない。

1.1. 通貨価値とは使われること・安心感だ -交換可能価値と貯蔵可能価値-


 貨はなぜ価値を持つのだろうか?紙に過ぎないはずなのに…


 法定通貨は特定の国・地域で利用が可能である。利用とはモノ・サービスとの交換である。私たちは日々の生活でモノ・サービスを日本円で購入することが出来る。何の疑いもなく。とにかく、円に対して、モノ・サービスを差し出される(なぜかは第3回予定)。これが通貨の価値である。すなわち、モノ・サービスと交換可能なことによる価値だ。これを交換可能価値と呼ぶ。

定義:交換可能価値 モノ・サービスと交換出来ることによる通貨の価値

 日本円の交換可能価値はいかほどだろうか?まず、日本中のモノ・サービスと交換出来る。また実はジンバブエ法定通貨であり、北朝鮮では通用通貨である。ゆえにこの3か国で交換可能である。

 比較のためアメリカ・ドルを考える。まずアメリカ国内で交換可能である。日本より大きな市場であるので、よりたくさんの種類のモノ・サービスと交換できる。さらに15の国・地域でも使える。これは日本円より多くのモノ・サービスと交換可能なことを意味する。従って交換可能価値の大きさは

               アメリカ・ドル>日本円

といえる。

円 (通貨) - Wikipedia

アメリカ合衆国ドル - Wikipedia

 

 また日本円を持っていれば、1年後、10年後、50年後にも利用出来ると考えるだろう。これは日本円が存続するであろうという安心感から生まれる。言い換えると、将来交換するために貯蔵することが可能と言える。これも通貨の価値だ。これを貯蔵可能価値と呼ぶ。

定義:貯蔵可能価値 将来モノ・サービスと交換出来ることによる通貨の価値

 例を見てみる。日本円は1年後、10年後、50年後に利用可能であろうか?諸意見あるとは思うが、その可能性は非常に高いとここでは考える。

 次に比較としてジンバブエ・ドルを考える。これはどうか?ジンバブエ政府の努力にも関わらず残念ながら数年後に存続しているか不安を覚える声も多いはずだ。実際2015年に廃止が決定されている。従って貯蔵可能価値は

              ジンバブエ・ドル<日本円

といえる。

ジンバブエ・ドル - Wikipedia

 

 では、通貨価値はどのように定義されるだろうか?これは交換可能価値と貯蔵可能価値の合計である。

定義:通貨価値 交換可能価値と貯蔵可能価値の合計

 

 この通貨価値の議論は仮想通貨に適用することも可能である。通貨価値こそが通貨を支えている根幹である。

1.2. 1万円当たりの価値は? -単位当たり通貨価値とインフレーション・デフレーション-


 幣を刷れば刷るほど、儲かったりはしない


 では通貨価値が分かったところで単位当たり通貨価値について述べる。これは簡単に言えば1万円の価値、と考えてよい。

定義:単位当たり通貨価値 通貨価値÷流通量

 単位当たり通貨価値(例えば、1万円の価値)と通貨価値(通貨全体の価値)を混同してはならない。分かりやすくするため、通貨価値が(貴金属の)金の量で表せるとしよう。日本円の通貨価値が金70tの価値であったとする。そしてこの世に流通する日本円は70万円しかなかったとしよう。すると、1万円は金何t分の価値か?

 

 

そう、金70t÷70万円=金1tである。

 では日本円の通貨価値金70tが変動せず、お金の流通量を140万円に増やしたとしよう。すると、1万円の価値は金何tか?

 

 

金70t÷140万円=金0.5tとなる。

 つまり通貨をただ刷ると、単位当たり通貨価値は減じることになる。通貨価値は変動しない。ゆえに単位当たり通貨価値(1万円の価値=0.5t)と通貨価値(通貨全体の価値=70t)は厳密に区別しなければならない。

 では、単位通貨当たりの価値が減少することを何と呼ぶか?インフレーションである。

定義:インフレーション 単位当たり通貨価値が減少すること

インフレーション - Wikipedia

 これは先ほどの例題で、お金を増やしたときに発生した現象である。また、インフレーションは物価が上がるとも言い換えられる。先ほどの例題を見てみよう。通貨を増やす前は金1tを1万円で購入することが出来た。しかし通貨を増やした後は金1tを購入するのに2万円かかる(1万円で金0.5tしか買えないため)。このようにインフレーションは物価上昇と言い換えることもできる。

 この逆がデフレーションである。つまり

定義:デフレーション 単位当たり通貨価値が増加すること

デフレーション - Wikipedia

 通貨価値が金70tのままでこの世に存在する日本円の流通量を35万円に減少させることがデフレーションに対応する。この時物価が下がると言い換えることもできる。

 

 以上の議論は仮想通貨の価格を論じる上で、重要な要素の一つとなる。この世に現在(2017/12/31 調べ)存在し、流通するBTCは1200万BTCである。XRPは370億XRPである。このような圧倒的な量の差は単位当たり通貨価値(価格)にも大きな影響を及ぼす。これについては後半に詳しく述べる。

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1.3.中央銀行法定通貨の支配者 -金融政策と通貨安競争・通貨不安定化-


 融政策は魔術的である -ジョン・ケネス・ガルブレイス


 法定通貨はどこから来るのか?それは中央銀行である。法定通貨の生産・放出はほとんどの場合、中央銀行(日本では日本銀行)一か所のみで行われる。そうでない場合でも、中央集権的な生産・放出の管理が行われる。ゆえに、中央銀行またはそれに準ずる機関が通貨の流通量を制御可能である。これは、前節で述べた単位当たり通貨価値を意図的に操作できることを意味する。これを金融調節と呼ぶ

定義:金融調節 単位当たり通貨価値を何等かの目的で操作すること

金融調節(きんゆうちょうせつ)とは - コトバンク

 

 では中央銀行はどのような目的をもって単位当たり通貨価値を意図的に操作するのだろうか?最も基本的な目的は単位当たり通貨価値の安定化である。

 例えば1万円の価値が明日には2倍、明後日には1/4倍になってしまうような不安定な場合を考えてみよう。そのような不安定な通貨は将来確実にモノ・サービスへ交換できる、という安心感を与えるだろうか?もちろん、与えない。従って単位当たり通貨価値が不安定だと、通貨価値のうち、貯蔵可能価値を損なうことになる。ゆえに安定化が重要なのだ。

 

 次に景気を良くする目的が挙げられる。景気を良くするには、お金を増やし、インフレーション(通貨安)にすることが重要と言われている(なぜかは、雇用・利子および貨幣の一般理論 J・M・ケインズ著を参照頂きたい)。これが第二の目的である。

定義:金融政策 経済の安定・成長を目的とした金融調節

金融政策(きんゆうせいさく)とは - コトバンク

 

 では今現在金融政策はどのような状況なのかを述べる。今は各国とも自国の経済を成長させようとしている。そのため、中央銀行が競って通貨安にしようとして、お金を増やしている状況である(通貨安競争)。

通貨安競争 - Wikipedia

 これは単位当たり通貨価値の安定化より、成長を重視していると言える(単位当たり通貨価値が不安定になる)。このことは貯蔵可能価値を損なう可能性を高めるし、次で述べる為替の不安定化にもつながる。

 

 仮想通貨はこのような中央銀行をもたない。このことは既存通貨との大きな差異の1つである。

1.4.お金とお金の交換 --為替レート-


替レートを是正して主要国は対等に競争する時です。 -リチャード・ニクソン


 あなたはアメリカへ海外旅行に行くとする。すると考えなければならないのは、日本円は日本ではモノ・サービスと交換可能だが、アメリカではそうでない、ということだ。ではどうするか?円をドルへ交換するのである。ではなぜ交換は成立するか。それは逆にアメリカから日本へ来る人々が居るからである。つまりドルから円へ交換したい人々が存在するからだ。

 次に実際に交換するとき為替レートというものがある。これは一体何か?それは二つの通貨の単位当たり通貨価値の勝負で決まる。日本円が1万円当たり金0.5tの価値であり、アメリカ・ドルが100ドル当たり金1tの価値だったとしよう。すると、100ドルは日本円でいくらだろうか?

 

 

 答えは2万円である。100ドルは金1tである。金1t日本円では2万円である。ゆえに100ドル=2万円と言える。(別の方法としては1万円:0.5t=100ドル:1tの比の式を解く方法がある。つまり、1万円×1=100ドル×0.5 ⇒ 2×1万円=100ドルである。)従って二つの通貨の単位当たり通貨価値が為替レートを決定する。

為替レートの決定 交換する二つの通貨の単位当たり通貨価値で決定される

 

 もし、1.3.後半で述べたように通貨安競争が行われていると為替はどうなるだろうか?単位当たり通貨価値が不安定になると、為替も不安定になる。

 

 仮想通貨を購入する際の価格とは日本円と仮想通貨の為替と言える。ゆえに為替を理解することは取引において重要なことだ。

1.5.既存通貨 まとめ 

 本記事では既存通貨の基本的特徴および現代における状況について簡単に述べた。

1.1.通貨価値=交換可能価値+貯蔵可能価値≒たくさん使われる+安心感がある

1.2.単位通貨当たりの価値(≠通貨の価値)が上がる=デフレ

単位通貨当たりの価値(≠通貨の価値)が下がる=インフレ

1.3.中央銀行の役割=金融政策 昨今は通貨安競争が行われている

1.4.為替レート=二つの通貨の単位通貨当たり価値で決定 通貨安競争で不安定化

 

 仮想通貨は既存通貨と何が違うのだろうか?優れているのか?劣っているのか?価値はあるのだろうか?後半は仮想通貨と既存通貨を比較し、前者は世界通貨、後者は国家通貨であることを述べる。BTCとXRPを主として例示していく予定である。

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【第0回】 仮想通貨に価値はあるのか?バブルなのか?

1.仮想通貨の驚異的な価格上昇と価値に関する意見対立

 仮想通貨は執筆当時(2017/12/28)、非常に注目される存在である。ビットコインの価格は2009/10/05時点では¥0.07に過ぎなかった。今ではおよそ¥2,000,000.00である。つまりほぼ3,000万倍の価格上昇だ。そして他の仮想通貨も価格上昇し続けている。

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 仮想通貨の価格上昇は正当なものなのだろうか?意見は大きく分けて二つある。

意見1)価格に対して、仮想通貨の価値は十分であり、現在の価格上昇は正当な評価である。

(バブルでない

以下の記事が該当すると考える。

「ビットコインはバブルじゃない、成長はこれからだ」 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

意見2)価格に対して、仮想通貨の価値は不十分であり、現在の価格上昇は正当な評価でない。

(バブルである

以下の記事が該当すると考える。

ビットコインは「バブル、手を出さず」 機関投資家の見解一致 | ロイター

ウォーレン・バフェット氏、「ビットコインはバブル」【フィスコ・ビットコインニュース】 | ロイター

 

 どちらの意見が正しいのだろうか?もしくは、どちらの意見も正しいのか?または、どちらも間違いなのか?

 本記事ではこの問いに答えていく。結論から言えば、

1)現在価格上昇しているほとんどの仮想通貨は利己的行為により価値を失った

2)将来現れるであろう"真の"仮想通貨は十分な価値がある

という結論である。

 

2.今後の予定について

全7回の記事を予定している。以下記事タイトル予定。近日中に執筆する。

 

sweets1942.hatenablog.com

sweets1942.hatenablog.com

 

第3回 価値について -仮想通貨は価値を持つのか?-

価格の構成要素の価値について論じ、既存通貨と比較して仮想通貨の価値とは何かを論じる。

 

第4回 投機と期待 -投機とは期待である-

価格の構成要素、投機について論じ、それは期待によるものであることを示す。次に仮想通貨への期待とは何かを論じる。

 

第5回 貨幣と信用 -仮想通貨は信用されるのか?-

貨幣がその役割を演じるのは信用によるものであることを論じる。そして仮想通貨は信用を得ることが出来るのか、直近の状況から論じる。

 

第6回 仮想通貨の問題点 -仮想通貨が価値を損なう理由-

2-5回までの議論から、仮想通貨が抱える問題点についてまとめ、論じる。

 

第7回 "真の"仮想通貨 -価値を持つ仮想通貨とは-

今までの議論を総合し、理想の仮想通貨について論じる。またその社会的役割を論じる。

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追記:初めてのブログ執筆だったのですが、いかがだったでしょうか?お気軽にご意見いただければとてもうれしいです!