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【第1回前半】 仮想通貨の分散性・世界通貨性 -既存通貨と比較した仮想通貨の特徴-

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【第1回前半】 概要

 

 「仮想通貨の本質は世界通貨」ということを既存通貨との比較を通して明確にしていく。そのため、この前半では既存通貨の特徴を述べていく。以下の結論となる。

既存通貨の特徴

定義:既存通貨 法定通貨、および法定通貨を前払い・後払いして行う決済手段

1.1.通貨価値交換可能価値貯蔵可能価値≒たくさん使われる+安心感がある

1.2.単位当たり通貨価値(≠通貨価値)が上がる=デフレ

単位当たり通貨価値(≠通貨価値)が下がる=インフレ

1.3.金融政策中央銀行の役割 昨今は通貨安競争が行われている

1.4.為替=二つの通貨の単位当たり通貨価値で決定 通貨安競争で不安定化する

  

 以上の議論を用いて、後半仮想通貨の価値とは?既存通貨より優れている点は何か?を論じていく

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 想通貨、それは外見を全く持たず掴みどころがない、ように見える。しかし、現実の人々を動かす以上、それは何等かの形で存在している。では一体、仮想通貨とは何なのだろうか?本記事ではそれを探求していく。

 方法としては既存通貨との比較を軸に異なる点を浮き彫りにしていく。

2.既存通貨と比較した仮想通貨の特徴(後半)

3.まとめ(後半)

 

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1. 既存通貨の特徴


 きを温ねて新しきを知る…既存通貨を温ねて仮想通貨を知る


 ここでは既存通貨の特徴について確認をしていく。これは仮想通貨の特徴を把握するための準備である。そのためまず、既存通貨の定義をしておく。

定義:既存通貨 法定通貨、および法定通貨を前払い・後払いして行う決済手段

 法定通貨とは法的に通用を強制(強制通用力)できる通貨である。具体的には日本円・ドル・ユーロ・ポンドなどが当たる。

法定通貨 - Wikipedia

 また法定通貨を前払いして行う決済手段とは、主としてプリペイド式カードのことを指す。これは法定通貨を前払いして利用する。法定通貨を後払いして行う決済手段とは、主としてクレジットカードを指す。

プリペイドカード(ぷりぺいどかーど)とは - コトバンク

クレジットカード - Wikipedia

 この定義から強調したいことは、既存通貨は電子マネーの一部を含むことだ。ゆえに仮想通貨との差異を考える上で

電子マネー - Wikipedia

・電子決済が可能

・現金を持ち歩かなくてよい

・履歴が残る

などは仮想通貨と既存通貨との決定的差異でない。

1.1. 通貨価値とは使われること・安心感だ -交換可能価値と貯蔵可能価値-


 貨はなぜ価値を持つのだろうか?紙に過ぎないはずなのに…


 法定通貨は特定の国・地域で利用が可能である。利用とはモノ・サービスとの交換である。私たちは日々の生活でモノ・サービスを日本円で購入することが出来る。何の疑いもなく。とにかく、円に対して、モノ・サービスを差し出される(なぜかは第3回予定)。これが通貨の価値である。すなわち、モノ・サービスと交換可能なことによる価値だ。これを交換可能価値と呼ぶ。

定義:交換可能価値 モノ・サービスと交換出来ることによる通貨の価値

 日本円の交換可能価値はいかほどだろうか?まず、日本中のモノ・サービスと交換出来る。また実はジンバブエ法定通貨であり、北朝鮮では通用通貨である。ゆえにこの3か国で交換可能である。

 比較のためアメリカ・ドルを考える。まずアメリカ国内で交換可能である。日本より大きな市場であるので、よりたくさんの種類のモノ・サービスと交換できる。さらに15の国・地域でも使える。これは日本円より多くのモノ・サービスと交換可能なことを意味する。従って交換可能価値の大きさは

               アメリカ・ドル>日本円

といえる。

円 (通貨) - Wikipedia

アメリカ合衆国ドル - Wikipedia

 

 また日本円を持っていれば、1年後、10年後、50年後にも利用出来ると考えるだろう。これは日本円が存続するであろうという安心感から生まれる。言い換えると、将来交換するために貯蔵することが可能と言える。これも通貨の価値だ。これを貯蔵可能価値と呼ぶ。

定義:貯蔵可能価値 将来モノ・サービスと交換出来ることによる通貨の価値

 例を見てみる。日本円は1年後、10年後、50年後に利用可能であろうか?諸意見あるとは思うが、その可能性は非常に高いとここでは考える。

 次に比較としてジンバブエ・ドルを考える。これはどうか?ジンバブエ政府の努力にも関わらず残念ながら数年後に存続しているか不安を覚える声も多いはずだ。実際2015年に廃止が決定されている。従って貯蔵可能価値は

              ジンバブエ・ドル<日本円

といえる。

ジンバブエ・ドル - Wikipedia

 

 では、通貨価値はどのように定義されるだろうか?これは交換可能価値と貯蔵可能価値の合計である。

定義:通貨価値 交換可能価値と貯蔵可能価値の合計

 

 この通貨価値の議論は仮想通貨に適用することも可能である。通貨価値こそが通貨を支えている根幹である。

1.2. 1万円当たりの価値は? -単位当たり通貨価値とインフレーション・デフレーション-


 幣を刷れば刷るほど、儲かったりはしない


 では通貨価値が分かったところで単位当たり通貨価値について述べる。これは簡単に言えば1万円の価値、と考えてよい。

定義:単位当たり通貨価値 通貨価値÷流通量

 単位当たり通貨価値(例えば、1万円の価値)と通貨価値(通貨全体の価値)を混同してはならない。分かりやすくするため、通貨価値が(貴金属の)金の量で表せるとしよう。日本円の通貨価値が金70tの価値であったとする。そしてこの世に流通する日本円は70万円しかなかったとしよう。すると、1万円は金何t分の価値か?

 

 

そう、金70t÷70万円=金1tである。

 では日本円の通貨価値金70tが変動せず、お金の流通量を140万円に増やしたとしよう。すると、1万円の価値は金何tか?

 

 

金70t÷140万円=金0.5tとなる。

 つまり通貨をただ刷ると、単位当たり通貨価値は減じることになる。通貨価値は変動しない。ゆえに単位当たり通貨価値(1万円の価値=0.5t)と通貨価値(通貨全体の価値=70t)は厳密に区別しなければならない。

 では、単位通貨当たりの価値が減少することを何と呼ぶか?インフレーションである。

定義:インフレーション 単位当たり通貨価値が減少すること

インフレーション - Wikipedia

 これは先ほどの例題で、お金を増やしたときに発生した現象である。また、インフレーションは物価が上がるとも言い換えられる。先ほどの例題を見てみよう。通貨を増やす前は金1tを1万円で購入することが出来た。しかし通貨を増やした後は金1tを購入するのに2万円かかる(1万円で金0.5tしか買えないため)。このようにインフレーションは物価上昇と言い換えることもできる。

 この逆がデフレーションである。つまり

定義:デフレーション 単位当たり通貨価値が増加すること

デフレーション - Wikipedia

 通貨価値が金70tのままでこの世に存在する日本円の流通量を35万円に減少させることがデフレーションに対応する。この時物価が下がると言い換えることもできる。

 

 以上の議論は仮想通貨の価格を論じる上で、重要な要素の一つとなる。この世に現在(2017/12/31 調べ)存在し、流通するBTCは1200万BTCである。XRPは370億XRPである。このような圧倒的な量の差は単位当たり通貨価値(価格)にも大きな影響を及ぼす。これについては後半に詳しく述べる。

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1.3.中央銀行法定通貨の支配者 -金融政策と通貨安競争・通貨不安定化-


 融政策は魔術的である -ジョン・ケネス・ガルブレイス


 法定通貨はどこから来るのか?それは中央銀行である。法定通貨の生産・放出はほとんどの場合、中央銀行(日本では日本銀行)一か所のみで行われる。そうでない場合でも、中央集権的な生産・放出の管理が行われる。ゆえに、中央銀行またはそれに準ずる機関が通貨の流通量を制御可能である。これは、前節で述べた単位当たり通貨価値を意図的に操作できることを意味する。これを金融調節と呼ぶ

定義:金融調節 単位当たり通貨価値を何等かの目的で操作すること

金融調節(きんゆうちょうせつ)とは - コトバンク

 

 では中央銀行はどのような目的をもって単位当たり通貨価値を意図的に操作するのだろうか?最も基本的な目的は単位当たり通貨価値の安定化である。

 例えば1万円の価値が明日には2倍、明後日には1/4倍になってしまうような不安定な場合を考えてみよう。そのような不安定な通貨は将来確実にモノ・サービスへ交換できる、という安心感を与えるだろうか?もちろん、与えない。従って単位当たり通貨価値が不安定だと、通貨価値のうち、貯蔵可能価値を損なうことになる。ゆえに安定化が重要なのだ。

 

 次に景気を良くする目的が挙げられる。景気を良くするには、お金を増やし、インフレーション(通貨安)にすることが重要と言われている(なぜかは、雇用・利子および貨幣の一般理論 J・M・ケインズ著を参照頂きたい)。これが第二の目的である。

定義:金融政策 経済の安定・成長を目的とした金融調節

金融政策(きんゆうせいさく)とは - コトバンク

 

 では今現在金融政策はどのような状況なのかを述べる。今は各国とも自国の経済を成長させようとしている。そのため、中央銀行が競って通貨安にしようとして、お金を増やしている状況である(通貨安競争)。

通貨安競争 - Wikipedia

 これは単位当たり通貨価値の安定化より、成長を重視していると言える(単位当たり通貨価値が不安定になる)。このことは貯蔵可能価値を損なう可能性を高めるし、次で述べる為替の不安定化にもつながる。

 

 仮想通貨はこのような中央銀行をもたない。このことは既存通貨との大きな差異の1つである。

1.4.お金とお金の交換 --為替レート-


替レートを是正して主要国は対等に競争する時です。 -リチャード・ニクソン


 あなたはアメリカへ海外旅行に行くとする。すると考えなければならないのは、日本円は日本ではモノ・サービスと交換可能だが、アメリカではそうでない、ということだ。ではどうするか?円をドルへ交換するのである。ではなぜ交換は成立するか。それは逆にアメリカから日本へ来る人々が居るからである。つまりドルから円へ交換したい人々が存在するからだ。

 次に実際に交換するとき為替レートというものがある。これは一体何か?それは二つの通貨の単位当たり通貨価値の勝負で決まる。日本円が1万円当たり金0.5tの価値であり、アメリカ・ドルが100ドル当たり金1tの価値だったとしよう。すると、100ドルは日本円でいくらだろうか?

 

 

 答えは2万円である。100ドルは金1tである。金1t日本円では2万円である。ゆえに100ドル=2万円と言える。(別の方法としては1万円:0.5t=100ドル:1tの比の式を解く方法がある。つまり、1万円×1=100ドル×0.5 ⇒ 2×1万円=100ドルである。)従って二つの通貨の単位当たり通貨価値が為替レートを決定する。

為替レートの決定 交換する二つの通貨の単位当たり通貨価値で決定される

 

 もし、1.3.後半で述べたように通貨安競争が行われていると為替はどうなるだろうか?単位当たり通貨価値が不安定になると、為替も不安定になる。

 

 仮想通貨を購入する際の価格とは日本円と仮想通貨の為替と言える。ゆえに為替を理解することは取引において重要なことだ。

1.5.既存通貨 まとめ 

 本記事では既存通貨の基本的特徴および現代における状況について簡単に述べた。

1.1.通貨価値=交換可能価値+貯蔵可能価値≒たくさん使われる+安心感がある

1.2.単位通貨当たりの価値(≠通貨の価値)が上がる=デフレ

単位通貨当たりの価値(≠通貨の価値)が下がる=インフレ

1.3.中央銀行の役割=金融政策 昨今は通貨安競争が行われている

1.4.為替レート=二つの通貨の単位通貨当たり価値で決定 通貨安競争で不安定化

 

 仮想通貨は既存通貨と何が違うのだろうか?優れているのか?劣っているのか?価値はあるのだろうか?後半は仮想通貨と既存通貨を比較し、前者は世界通貨、後者は国家通貨であることを述べる。BTCとXRPを主として例示していく予定である。

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